この記事の結論
- 労災保険の特別加入は「業務中」のケガ・病気しかカバーしない
- 会社員にある「傷病手当金」の仕組みが、国民健康保険には基本的にない
- 私生活での病気・ケガによる収入減少には、所得補償保険・就業不能保険といった民間保険で備える選択肢がある
- 全員が加入必須のものではない、貯蓄額とのバランスで判断する
労災保険の特別加入を済ませたら保険まわりは万全、と考えてしまいがちですが、実はカバーされないリスクが残っています。
ここでは、特別加入だけでは足りない部分と、その備え方を整理します。
特別加入がカバーしないリスク

労災保険の特別加入は、あくまで「業務中」または「通勤中」の事故・ケガ・病気が対象です。
休日に趣味でケガをした、私生活で病気になった、といった業務に関係ないケガ・病気は、特別加入があっても補償の対象外です。しかし現場に出られなくなれば、業務中・業務外を問わず収入は同じようにゼロになります。
会社員にある「傷病手当金」が一人親方にはない
会社員が加入する健康保険には、病気やケガで働けなくなったとき、給料の一部(おおむね3分の2程度)を最長1年6ヶ月受け取れる「傷病手当金」という制度があります。
一方、一人親方が加入する国民健康保険や建設国保には、この傷病手当金にあたる制度が基本的にありません。
民間保険という選択肢

このギャップを埋める手段として、民間の「所得補償保険」「就業不能保険」があります。
| 労災保険(特別加入) | 所得補償保険・就業不能保険 | |
|---|---|---|
| 対象 | 業務中・通勤中のみ | 業務外の病気・ケガも対象になる商品が多い |
| 加入先 | 特別加入団体経由の公的制度 | 民間の損害保険会社・生命保険会社 |
| 保険料 | 給付基礎日額に応じて決まる | 年齢・保障内容により商品ごとに異なる |
保険料の考え方
商品や保障範囲によって保険料は大きく変わるため、この記事では具体的な金額には触れません。
複数の保険会社・代理店で見積もりを取り、資金繰りで扱った手元資金の考え方とあわせて、保険料が家計・事業の負担にならない範囲かどうかを確認してから判断するのが基本です。
必ず入るべきものではない
所得補償保険・就業不能保険は、労災の特別加入のように「入っていないと現場に入れない」種類のものではありません。手元資金(生活費3〜6ヶ月分の目安、第1章参照)で当面をしのげる見込みがあるなら、無理に加入する必要はないという考え方もあります。
大切なのは「業務中しか補償されない」という特別加入の限界を理解した上で、自分の貯蓄や家族構成に照らして備えを検討することです。


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