この記事の結論
- 一人親方とは「労働者を雇わず自分の技術で働く、建設業中心の個人事業主」のこと
- 会社員との最大の違いは「雇用契約」か「請負契約」か
- 労災・社会保険・確定申告、これまで会社任せだった手続きを全部自分でやる必要がある
- 技術への自信・自己管理力・収入変動への耐性、この3つの見当がついているかが向き不向きの目安
「一人親方」という言葉は現場でよく聞くのに、いざ説明しようとすると意外と言葉に詰まる人が多いものです。
結論から言うと、一人親方とは労働者を雇わずに自分自身の技術と労働力で仕事を請け負う、建設業を中心とした個人事業主のことです。
会社員の職人と一人親方の一番の違いは、雇用契約があるかどうかにあります。会社員は雇用主から給料をもらう「労働者」ですが、一人親方は元請けや取引先と「請負契約」を結ぶ「事業主」という立場になります。
会社員(職人)との違いを具体的に見る

会社員の職人であれば、労災保険は会社が加入してくれますし、社会保険も会社と折半で負担してくれます。確定申告も年末調整で会社が代行してくれるケースがほとんどで、労働者側が意識する場面はあまりありません。
一人親方になると、これらすべてを自分で判断し、自分で手続きする必要があります。労災保険は「特別加入」という別枠の制度に自分で申し込み、社会保険は国民健康保険・国民年金へ切り替え、確定申告も自分で行うことになります。
| 項目 | 会社員の職人 | 一人親方 |
|---|---|---|
| 契約形態 | 雇用契約 | 請負契約 |
| 労災保険 | 会社が加入(全額会社負担) | 特別加入団体を通じて自分で加入 |
| 社会保険 | 会社と折半 | 国民健康保険・国民年金へ切り替え |
| 確定申告 | 年末調整で会社が代行 | 自分で青色または白色申告 |
| 収入 | 毎月固定給 | 請け負った仕事の分だけ |
収入面での違い
会社員は毎月決まった給料が振り込まれますが、一人親方の収入は請け負った仕事の分だけです。仕事がなければ収入はゼロになりますし、逆に単価交渉次第では会社員時代より収入を増やせる可能性もあります。
同じ現場に入っていても、会社員時代の日給と一人親方としての請負単価は必ずしも一致しません。腕一本で稼ぐ分、収入の天井も自分で押し上げられるのが独立の醍醐味でもあります。
責任面での違い
会社員であれば現場での事故やトラブルの責任は基本的に会社が負いますが、一人親方は自分自身が事業主として責任を負う場面が増えます。
だからこそ、労災保険への特別加入や、現場によっては元請けから加入を求められる損害賠償保険の検討が欠かせません。「入っていないと現場に入れない」という実務上の理由からも重要です。
こんな人は一人親方に向いている

独立が向いているかどうかは、技術力だけでは判断できません。次の3つの見当がついているかを、自分に問いかけてみてください。
- 自分の技術に一定の自信があり、元請けから声がかかる実績がある
- 仕事の受注から事務作業まで、ある程度自分で管理する意欲がある
- 収入が月によって変動することに、精神的な耐性がある
逆に、事務作業が極端に苦手だったり、毎月の収入が一定でないと不安が大きいタイプの場合は、独立前にもう少し情報収集をしてから判断したほうが安心です。
3つのうち2つ以上に見当がついていれば、独立を具体的に検討していい段階だと考えてよいでしょう。
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